公開日 2010年11月10日
室戸阿南海岸国定公園に指定されている阿南の海は、入り組んだ海岸線をもち、海産物の宝庫であるとともに、白砂青松の海浜と岩礁が織りなす景観美にも富んでいます。
![]() 弁天島 |
”阿波の松島“とうたわれ、神代の伝説にまつわる高島、国の天然記念物である熱帯性植物におおわれた弁天島など、大小さまざまな島々が浮かぶおだやかな橘湾や、『土佐日記』にも登場する椿泊港、黒潮が荒々しく岩礁を洗う蒲生田岬など、静と動をあわせもち、歴史ロマンあふれる阿南の海の魅力は尽きません。 また西日本随一の広大な松原と観光地引き網で知られる北の脇海水浴場や、遠浅の淡島海水浴場に代表される良質の海浜が多いうえ、伊島・福村磯など、全国屈指の釣り場も点在し、阿南の海はいくつもの楽しみを提供してくれます。 |
![]() 北の脇海岸 |
|
![]() 北の脇海水浴場 |
阿南には、縄文よりさらに時代がさかのぼる旧石器時代から人々が住み始めたといわれ、この地がいかに住みやすいところだったかを教えてくれます。 豊かな自然は、現代にあっては心に充足感を与えてくれる、かけがえのないものとなりました。 幾重にも連なる深緑の山ひだ、恵みの清流となって大地を潤す川、時につれて表情を変える海。奥深い自然の懐は、せわしく行き交う人々をやさしく包み込んでくれます。 海と緑が交わる那賀川河口横の海岸には、ゴルフの原点「リンクス」を意識した本格派シーサイドゴルフコースであるコート・ベール徳島があり、テニスコートや多目的広場も併設。潮風を感じながらのプレイが楽しめます。 隣接の約十五ヘクタールの出島野鳥園では、数多くの野鳥たちが心と体を休める憩いの場となっており、休日にはバードウォッチングを楽しむ人たちで賑わっています。 平成十七年十一月、この那賀川にアゴヒゲアザラシが現れるようになり、一躍人気者に。「ナカちゃん」の愛称で市民に親しまれています。 |
![]() コート・ベール徳島(ゴルフ場) |
![]() 那賀川の人気者となった「ナカちゃん」 |
阿南市の面積の実に六割が山地です。急峻な四国山地も、東の果てでは標高五百メートルから六百メートルとなり、山の表情もぐんとやわらぎます。そのなだらかな山々からは、果実や木の実、筍、椎茸など、ふんだんな山の幸が里に届けられます。
山々に降った雨は、明谷梅林の四千本の梅の木をはじめ、多くの山林や田畑を潤し、一筋の流れとなって、より大きな流れへと向かいます。
川はときには滝となり、那賀川の上流にある午尾の滝では、一気に三十メートルの落差を駆け下ります。剣山に端を発し、小川を束ねながらしだいに水量を増していく那賀川は、ついには最大川幅五百メートルという、徳島県下第二の大河となって紀伊水道に注ぎます。
一年中温暖で変化に富んだ美しさのある阿南は、訪れる人々の身体と心をときほぐす、くつろぎのまちです。
![]() 午尾(ごお)の滝 |
![]() 那賀川(なかがわ) |
![]() 岩脇公園桜並木 |
![]() 桜つづみ公園 |
四国でもっとも東にある岬が蒲生田岬です。紀伊水道と太平洋が交わるこの岬は、大海亀(アカウミガメ)の産卵地として県指定天然記念物になっており、毎年五月から八月にかけて岬の砂浜でくりひろげられる生命の神秘を求めて、県内外から多くの人が訪れます。
![]() 蒲生田(がもうだ)岬 |
|
![]() アカウミガメ |
![]() 船瀬(ふなせ)温泉保養センター |
浦島太郎でおなじみの海亀は、古くから縁起のいい動物として日本人の生活になじみが深く、最近では、二億年の時を伝える生きた化石として、その保護を求める声が高まっています。
岬に立つ白亜の灯台から沖に目を転じれば、優雅なイシマササユリが群生する伊島など三つの島影がみとめられ、晴れた日には遠く大鳴門橋、淡路島、和歌山県まで望むことができます。岬にある船瀬温泉は、その眺望と湯質の良さから多くの人々に親しまれていますが、秘湯の風情を求めて訪れる旅人も跡を絶ちません。