新時代のビッグウェーブを巻き起こす!初代阿南ふるさと大使【キラリ輝く】

公開日 2025年10月28日

キラリ輝く 第4回【新時代のビッグウェーブを巻き起こす!初代阿南ふるさと大使】との対談 

プロサーファー

初代阿南ふるさと大使

日本サーフィン連盟 副理事長

武知 実波(たけち みなみ)さん

 

 

新時代のビッグウェーブを巻き起こす初代阿南ふるさと大使と岩佐市長が対談

キラリ輝くの第4回目は、 プロサーファーとして活躍されながら、本市の「初代ふるさと大使」として本市のPR活動に尽力されているほか、サーフィン競技の普及振興やサーフィンを活用したこども達への教育活動の推進、更には徳島県で初となる日本サーフィン連盟の副理事長に就任されるなど、新時代のビッグウェーブを巻き起こし続けている、プロサーファーで初代阿南ふるさと大使、日本サーフィン連盟副理事長の「武知 実波(たけち みなみ)」さんと対談させていただきました。

サーフィンをはじめたきっかけやサーフィンを通じたこども達への教育活動について、初代阿南ふるさと大使の活動の思い出などいろんなお話をお伺いしました。

常に時代のビッグウェーブに乗り続けられて輝かれているその魅力に迫ります!

 

対談

岩佐市長=岩 武知実波さん=武

 

【岩】

本日はお忙しいところ対談の機会を設けていただきましてありがとうございます。

武知さんのこれまでのご活躍など、いろいろお話が聞けたらと思います。

よろしくお願いします。

 

【武】

こちらこそこのような機会を設けていただきましてありがとうございます。

よろしくお願いします。

 

【岩】

早速ですが、武知さんの自己紹介をお願いします。

 

【武】

改めまして、プロサーファーの「武知 実波(たけち みなみ)」と申します。

また、阿南ふるさと大使も拝命していまして、阿南市のPRをする役職にも就かせていただいておりますので、今日はこのような場にお呼びいただきましてありがとうございます。

 

【岩】

こちらこそ、この「キラリ輝く」で取材をさせていただいて大変ありがたいです。

先ほどの自己紹介でも言っていただいたんですが、阿南ふるさと大使の第1号というところで、阿南市のPR活動を行っていただく役をお受けいただいて本当にありがとうございます。

また、サーフィン業界におかれましては、この4月に日本サーフィン連盟の副理事長に就任されたということですが、そちらの業務は大変ですか。

 

【武】

そうですね。副理事長に就任させていただいて初年ということもありまして業務すべてに目新しさを感じています。

昨年までは理事を2年務めさせていただきまして、連盟の方向性を決める大事な会議に参加させていただいたり、一票を投票したりするなどとても貴重な経験をさせていただきました。

その過程を経て、この度副理事長という重責を担わせていただくきっかけをいただき、様々な会議やイベントに出席したり、多くの場で発言する機会などを与えてくださりました。改めてその責任の重さを実感するとともに、とても刺激的な日々を送らせていただき自分が成長するきっかけとなり、とても嬉しく思っています。

 

【岩】

今、サーフィン連盟の副理事長や阿南ふるさと大使など様々な役を担っていただいており、その活動の中で、阿南のこども達にもサーフィンなどいろいろとご指導いただいているほか、環境の美化活動などにも取り組まれていると思います。

その中で、まず武知さん自身が「サーフィン」を始められたきっかけについて教えてください。

 

【武】

きっかけは、両親が阿南でサーフショップを営んでいまして、両親の影響を受けたのが一番大きいです。

 

【岩】

そうなんですね。ちなみに、いつ頃からサーフボードに乗られるようになりましたか。

 

【武】

確か9歳の頃から乗るようになりました。

親としては、私に無理やりサーフィンを始めさせたというのは全く無くて、始めてくれるのを待っていたと聞きました。

それまでは、海で遊ぶとか砂浜で遊ぶなどしていまして、そこからボディーボードを楽しむようになりました。それから小学3、4年生の時に、「サーフィンもやってみたい」と思うようになりました。親も「しっかりやるならサポートする」と言ってくれて、そこから競技の世界に入っていくようになりました。

 

【岩】

なるほど。

英才教育じゃないですけど、3歳、4歳くらいからボードに乗ってみたいなのを想像していました。

 

【武】

いえいえ、そういうのではありませんでした。

私の両親は、本当にサーフィンが好きで、この阿南の波に魅了されてここに住んでいるということもあり、まずはサーフィンを楽しんでもらいたいというのがあって、早いうちから無理やりサーフィンをさせないといけないみたいなことはなく、自分がやりたいように海に携わってほしいという気持ちだったと思います。

私としては、自然と自ら「サーフィンをしたい!」と思って始めたのが結果的に良かったのかなと思います。

 

【岩】

もしかしたら、逆にご両親はそうなることを狙っていたかもしれませんね。

 

【武】

そうかもしれませんね。

【岩】

やっぱり、自発的に興味を持ってやるっていうこと、「知って、好きになって、楽しむ」っていうのが一番いろんなことが上達するというなかで、武知さんがサーフィンというスポーツを「好きになる」、「楽しむ」きっかけが、自発的に興味が湧いてサーフィンをするようになったというのがポイントだったのかなと思いました。

 

【武】

ありがとうございます。

あとこれは忖度なしで、「阿南」という地が良かったと思います。

というのも、日本におけるサーフィンのメッカとされる千葉県や神奈川県の湘南においては、人口が多いので切磋琢磨はされるんですけど、私自身がそういうことが向いていないので、阿南で伸び伸びとできたことが大きいなと感じています。

また、阿南の人たちの人柄がすごく良くて、まるで家族のように応援をしてくれたり、一緒に海に入って価値観を共有してくれたりなど、信頼関係が構築されたこともあって、そういう人たちが育ててくれたなと感じています。

 

 

 

人生の岐路であったり、何か判断をするといったところで、原点に立ち戻れる考え方ができるということは幸せなことだなって思う

 

 

【岩】

よくわかりました。

では、次にサーフィンの魅力についてお聞きしたいと思います。今も好きだからというのもあると思いますし、仰られた環境が良いというのもあってずっと続けられていると思いますが、改めてサーフィンの魅力や好きなところをお聞かせいただければと思います。

【武】

そうですね。

サーフィンは自然の中でするスポーツなので、まさに自然と一体になった感覚を得られるというのが、ほかのスポーツでは味わえない、サーフィンならではの特徴だと考えています。

海って本当に広大で、海に入っているとあくまでも自分は自然の中の一部だと感じられるなど、自身を客観視する時間が持てるということが、生きる上で重要だなと思いました。

「人」が何もかもを回しているように感じてしまう傾向にありますが、あくまでも「人」っていうのは地球や自然の一部であって、共生することが一番必要なことだと、原点に立ち返る考えができるのが、海に入る人と入らない人で比べると、海に入る人の方が立ち返る考え方ができる人が多いと感じています。

人生の岐路であったり、何か判断をするといったところで、原点に立ち戻れる考え方できるということは幸せなことだなって思うので、そういう考え方が身についたのもサーファーだったから身についたと感じます。

そういったことからも、自然からいろんなことを学べるということがサーフィンの魅力だなと改めて感じています。

 

【岩】

私自身、まだサーフィンはやったことなくて、逆にスキーとかはするんですよ。

ただ、スキーとかスノーボードとかは雪があってその斜面を滑るわけですが、そちらは波と違って動かないわけじゃないですか。

だから、ある程度自分の意図で調整ができますが、サーフィンは動いている「波」に乗るわけですから、同じものは一つとしてないものとの出会いになりますよね。乗ったことはないですが、瞬間、瞬間で違うんだろうなと思います。

 

【武】

これはよくサーファーの皆さんが仰られることなんですけど、週末に1本でもいい波に乗れたら1週間幸せが持続すると言われています。

俗に言うウェルビーイングとかQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に、1本の波が貢献してくれていると感じています。

それによって、自分の心の許容がすごく広くなるというか、寛大な心になるような傾向があるように感じますね。

 

【岩】

なるほど。

やっぱりいい波っていうのは、自分との同調というか、例えば長く乗れるとかが「いい波にのったな」って感じるポイントになってくるんですか。

 

【武】

仰るとおりで、サーファーのレベルによってもいい波っていうのは違うんですよね。

例えば上級者にとってものすごくいい波と感じたとしても、初心者の方にとっては怖すぎるとか、楽しみよりも恐怖感が勝ってしまって、その方にとってはいい波ではないんですよね。

なので、小さくてキレイな波、上級者にとっては寝たら忘れてしまうような波であったとしても、初心者の方にとっては本当に人生で一番いい波と感じると思います。

それぞれの海岸には各々のポテンシャルがあって、そこの波を欲している人がいるので、地域創生に活用できるなどすごく可能性があるなと感じますね。

 

【岩】

実際に今まで乗った波や海岸で覚えているようなものってたいくつかあるでしょうけど、何かありますか。

 

【武】

そうですね。いっぱいありますけど、阿南でしたら那賀川河口にある辰巳海岸ですね。

ここは、初心者から上級者までいい波に乗れる海岸になってます。特に東のうねりを受けるのと、河口部が広くて遠浅になってることから、沖から長く波に乗ることができます。

また、波に乗ってると川の方が見えて、ちょっと顔を向けると山が見えるんですよね。

これはほかの海岸ではなかなか体験できないことで、海があって川があって街があってすぐ山がある、本当に海山川が一望できる、全部を感じられるというのが徳島、阿南の一番の魅力だなと感じます。

 

【岩】

ありがとうございます。

そうしたら次の質問になるんですけど、こどもたちにプールでのサーフィン体験とか指導いただいていると思うんですけど、サーフィンというスポーツを通して、こどもたちにどういうことを伝えたいと思って活動されていますか。

 

【武】

そうですね。

一つは、サーフィンという競技、スポーツを通してこどもたちには、阿南の自然の魅力を知ってもらいたいという思いがあります。

もちろん、サーフィンというのは一つのきっかけでしかないと思いますが、この体験を通して目線が向くというか、例えば「阿南にはサーフィンができる海岸があるんだ」とか、その地に関心を向けてもらうことで、自分の故郷に対して理解を深める一歩になると考えています。

特に「阿南って何もないところ」っていう子がいる中で、そこで「何もないわけでは決してない」っていうことをしっかりと自分で理解して発信できる子が増えたらいいなと思っています。

あともう一つありまして、今プールでサーフィンの体験を45分授業でやらせてもらっているんですけど、その中で、漕ぐ動作の「パドリング」と立ちる動作の「テイクオフ」をしています。

前提としてですが、サーフィンをしたことないとかサーフボードに触ったことがないというこどもたちが、95%くらい居て、ほとんどの子たちが初めてっていう中で授業をさせてもらっています。

実際にやってみると、ほぼ100%のこどもたちができるんですよね。そこもすごく大きいところだと思っていて、終わった後に「やる前にできないと思っていた人、できないんじゃないかと不安だった人はどれくらいいるかな?」って聞いてみると8割くらい手が上がるんですよね。

「でもやってみたら思ったよりできたって思うどのぐらいいる?」って聞いたらほとんどの子が手を上げるんですよ。

なので、今はなかなか挑戦をするっていうことに対するハードルが上がっている人が多いっていうことを現場の先生から伺っていて、挑戦するということに抵抗があるという中で、こういう授業を通して「やってみたらできた」と思ってもらえることで、こどもたちにとって成長の過程で自信をつけることや自己効力感の醸成にもつながることからも、教育的に重要な力を自発的につけれるため、有用性があると考えています。

ここからいろんなことにチャレンジしてくれる人が増えてくれたらいいなと思っていますし、そういうチャレンジする人たちが生まれるように導いていくっていうのがすごく大事だと思うので、少しでも寄与できるように私自身も尽力していきたいです。

 

【岩】

8月24日(日曜日)に開催されたSUPとサーフィンの体験会も見させてもらいましたが、やっぱりこどもは飲み込みが早いなと思いました。

プールじゃなくて実際の波と向き合ってやってみたら、テイクオフもキレイに決めて、波にもしっかり乗ってという姿を見たときに、それはこどもだけではないとは思いますけど、達成感も感じるだろうし、仰るように自己効力感も育まれているんだろうなと感じました。

こういうことをきっかけにして、それがたとえサーフィンじゃなかったとしても、これからの人生の中で、いろんなことに挑戦して、その1回がダメだったとしても、またもう1回挑戦して、ちょっと上手になって、また落ちて失敗してそういう繰り返しで人は成長して、それこそ自己効力感につながるんだと思いますね。

あと武知さんは、環境への意識っていうのもすごく持たれていると思います。それで、サーフィンを20年以上されていて、その中で始めたころと今では意識の持ち方も違うと思いますが、サーフィンをされている周りの環境も含めて環境の面で感じる事ってなにかありますか。

 

【武】

そうですね。感じるものは多々あります。

いくつか観点があると思うんですけどまずはゴミの量というのがあると思います。

ただゴミの量というのも、私は幼少期から親にくっついてビーチクリーン活動が生活の一部になっていて、またサーフィンをやっている人は、最初にも申し上げたように自然からの恩恵を受けているっていう自覚があるので自然に対してゴミを捨てたりとかはしないですし、ゴミがあったら拾って持って帰るといったような活動ができる方がほとんどなのと、あと市民団体の清掃活動も増えてきたっていうこともあって、毎回ゴミはあるものの急激に増えているっていう印象はないです。

それは、今2050年には魚の量よりもゴミの量の方が海では増えると言われている現実がある中で考えてみると、こういう市民団体の活動が増えてきたというのは、実感として成功体験だと感じていて、みなさんの活動が無くなってしまうとゴミは増える一方だと思うと、市民の活動っていうのが大事だなってすごく感じています。

あと海水温が上がっていることですね。熱射もすごいのと海水温の上昇によって熱中症になってしまいます。

例えば8月のお昼2時くらいに海に行くと、まず砂がかなり熱くなっていて裸足で3歩くらい歩くと火傷するような状況です。また、海に入ると最初は涼しいんですけど慣れてくると結構温かくなってきて、熱中症になってしまうというような状況が、昔との違いですかね。

また、クラゲの出てくる時期とかもだいぶずれてきたなと感じます。

 

【岩】

なるほど。

 

【武】

やっぱりゴミ問題と海水温の上昇っていうところとあと尋常じゃない暑さですね。

全日本選手権なんかは3年前くらいから暑さもあって、8月末から10月に移動するっていう対策を行っています。

もうなかなかスポーツやレジャーを純粋に何も対策なしに楽しむのが難しく、工夫が必要になってきているのかなっていうのはすごく感じています。

 

 

見られる人間としてサーフィンも勉強も頑張って文武両道で活躍してるんだなっていうイメージをもってもらうことが大事だなって思いました

 

【岩】

なるほど。そういった環境問題の実例も出されながら、こどもたちに伝えられているんだなっていうことがよくわかりました。

では、大きく話が変わりますが、2013年に阿南ふるさと大使の第1号になっていただいたわけですけど、当時のきっかけなどあれば教えていただければと思います。

 

【武】

そうですね。きっかけとして一番大きかったのは、私が徳島県で女性で初めてプロサーファーになったっていうことだと思います。

そこを評価していただいて、声をかけていただいたと感じています。

 

【岩】

プロサーファーになったのは高校生のときでしたっけ。

 

【武】

そうですね。高校3年生のときです。そして大学1年生のときに阿南ふるさと大使に就任させていただきました。

学生時代には 「文武両道」ということをすごく意識して活動していて、徳島県藍青賞を2回受賞することができました。

この「文武両道」を意識した背景には、当時、サーフィンに対していろんな見方がある時代で、もちろんまだオリンピックスポーツでもありませんでした。スポーツと捉えていただいている方もいれば、遊びとして見ている方もいる、両方とも正解ではあるのでそれで良いとは思うんですが、「やっぱりサーフィンって素晴らしいスポーツなんだ」って広めることのできる「プロ」という立場にならしてもらえたので、私の活動次第では発信することで多くの方に知ってもらうことができるし、影響を与えることができる機会が増えると考えました。

だからこそ、自分が「見られる側」になったことで「しっかりしないといけない」と思いました。初めてプロサーファーとして認識をしたのが「私」という方もたくさん出てくると思ったので、そういうときに「サーファーって、みんなサーフィンだけじゃなくて、勉強も頑張ってて文武両道で活躍してるんだ」っていうイメージをもってもらうことが大事だなって思いました。

【岩】

なるほど。よくわかりました。

武知さんは阿南ふるさと大使の第1号であるんですけど、実際にこの役を打診されたときって率直にどのような気持ちを持たれましたか。

 

【武】

正直びっくりました。それと同時に阿南ふるさと大使という役を担わせていただけるということで、本当に純粋にありがたく嬉しいなという気持ちになりました。

やっぱり私は、サーフィン競技であったり地域に育てられたと自覚しているので、少しでも地元に恩返しがしたいという気持ちがあった中で、このようなお話をいただきました。

私が様々な大会に出場することで、阿南の名前が広がるという風に考え、まずはサーフィン競技を頑張ること、それに加えて大学生活も頑張ること、これらを頑張ることで、阿南市の知名度が上がって少しでも地域の活性化に貢献できればと嬉しいなという思いが、また自分のモチベーションにもつながりました。

阿南市をPRする一環として、私が使用しているボードに阿南市の市章を貼らせていただきまして、いろんな大会に出場しました。

そうしたら、インタビューとかをお受けすると、「このマークは何ですか?」と聞かれることがたくさんありました。もちろん私自身もいろんなところでこのマークは阿南市の市章です、とお伝えする機会も増えたのは良かったなと思います。

 

【岩】

それこそサーフィン業界では、武知さんは阿南市出身ということで、今回の日本サーフィン連盟の副理事長就任もそうですし、オリンピックの運営チームに入られたりなど、そういった中で紹介される度に阿南市という名前が広がって、それによっていろんな方が本市を訪れてくれるきっかけになってということからも、様々な場所で本市のPRをしていただいているんだなと実感しています。

そういったいろんな活動をされていますが、阿南ふるさと大使の活動をされる中で、なにか思い出に残っていることとかってありますか。

 

【武】

思い出に残っていることとしては、ふるさと大使に就任させていただいてから、大学4年間で世界ツアーを回っていまして、1年間に約8か国ほど回りました。

ツアーで行った先で日本に来たことが無い人や、来たことはないけど四国は知っている人など、いろんな人に故郷の話をするという経験をしまして、この経験により改めて自分の地域に誇りを持つきっかけになりましたし、また海外の人にその場で発信する、PRできるというのは自分しか居なくて、故郷を知ってもらいたいな、いつか来てもらいたいなという思いを持って伝える活動ができたのは本当にやりがいになりました。

それもこのポジションを与えてくれたから自信をもってできることだからこそ、とても印象に残っています。

また、私にとってすごく良かったなと思うのが、海外の方って自分の国の例えば歴史だったり、自分の地域の誇りだったりっていうのをすごく上手にプレゼンテーションできて、常に日頃から私の故郷のここが素敵でみたいな話をできる方が多い印象を持っています。それは海外の方たちは、自分の故郷に対して、住んでいる地域に対してものすごく誇りを持っているからだと思います。そのような場所で活動できたおかげで、私自身も自分の地元のことをたくさん勉強して、もっと今度はこういうことを伝えようとかっていうのを考えられる機会があって、海外の方とたくさん会話をしてという活動のおかげで、自分の故郷に対する自信を持つ気持ちや自慢したい気持ちを育てるいい機会になったなと思います。

 

【岩】

ふるさと大使をお受けいただいたことで、武知さんの今の様々な活動に結びついているのであれば、本当に大変嬉しいと思いますし、ありがたいなと感じています。

今も、ふるさと大使としてもサーファーとしてなど活動をされていますが、先ほどの話にもありましたけど、「阿南って何もないわけじゃ決してない」という風に仰っていただきましたが、その阿南の魅力とか好きなところを改めて教えてください。

 

【武】

やっぱり「波」と「人」だと思います。

というのも私を構成する要素に、必ず阿南市の「波」と「人」は欠かせません。

これらが無ければ、私はプロサーファーになることもできていないだろうし、ろんなことを考える機会もなかった人間だっただろうなと思っています。

思い返してみると、もちろん自然から学ぶことっていうのもたくさんあって海に入って苦しい思いをしたり、悔しい思いをしたり、逆に楽しい思いをしたりなど、人間として成長させてもらえたっていうこともあるとは思うんですけど、でもそれは海であればどこでもよかったわけではなく、この阿南の人たちが私をすごく育ててくれたなっていう思いがあります。

というのも、阿南の人たちは、阿南のことを好きな人がすごく多いと思うので、地域の方々を見ていると自然とシビックプライドが醸成されたと感じています。

自分の地元で自分の地元の友達とか、その周りの人を愛して生活してるってなんて心が豊かな人たちなんだろうっていうことは、海に入りだした小さな頃からずっと思っていました。そういった気持ちがあったので、サーフィンを教育に取り入れていきたいという思いの発端にもなりましたし、私自身が「武知家」っていう一家族だけで育ってきたという感覚というよりも、阿南のコミュニティが私を育ててくれたという強い認識を持っています。

だから、この素晴らしい波質とコミュニティというのは、誰に対しても、どの国に対しても、どの地域に対しても、私が誇れるところであり好きなところだと言えます。

 

【岩】

ありがとうございます。

人とか環境っていうのは、阿南市としても誇れるよりPRをしていかないといけない部分でしょうし、そのためには一人ひとりがまず誇りを持ってもらわないといけないですし、そして自分なりに発信をしてもらいたいと思います。

その中で、そういった魅力を発信していきながらにはなりますが、これからこんな阿南市になればいいなとか、こういう阿南市にしていきたいなっていう思いってありますか。

 

【武】

そうですね。

私は今サーフィンを通して教育だったり、自分で塾を経営していることもあって、教育としてこどもに携わることが多いんですけど、いろんなこどもと触れ合う中で、やっぱりこどもの時期ってすごく大事だなと感じることが多いので、こういった若者世代が輝いて、自分らしく居られる阿南を作っていってほしいなという思いがすごくあります。

今も、「阿南が何もないから」っていう理由だけではなくて、進学や就職による理由で出ていかれる、県外に行かれる若者が多いとは思うんですけど、そういった人たちが必ず阿南に帰ってくる理由がある場所、その理由を全員が見つけることのできる町になってほしいなってすごく思います。

例えば、このレストランが好きとかでもいいですし、ここのかき氷が美味しいから夏は絶対帰ってきたいとかでもいいですよね。この海がすごいリラックスできるとかでもいい。自分だけの魅力を持っておいてほしいなとは思います。

そして活躍する若者たちが自分らしさを感じることができる、まさに私がここで生きて自分らしさを感じているっていうのもあるので、そういう自分らしく輝けるような人材を作るというよりは、そういう人材が居やすい場所、町になってほしいなって思います。

20代や30代の若者が増えてくれたらやっぱり町も活気づきますし、やっぱりそういう世代が「選んでくれる町」「選びたい町」になって、そういう人たちが1人、2人って増えることによって、また相乗効果で集まってくると思いますし、またそういう人に惹かれて来るっていう人も増えてくると思います。そういう人作りと並行して、そういう環境作りというかっていうのがあればすごく阿南は活気づくと思いますし、そういう活気がある人が行きたいなって思うような町になってほしいなって思いますね。

 

【岩】

ありがとうございます。

冒頭で話しましたけど達成感というか、自己効力感みたいなものが養っていって、それこそ何でもチャレンジしてみるんだっていう気持ちをもって、失敗してもまたそこからもう一度チャレンジしてっていう、そういう人たちが集まってくる町にして、自分の個性とか、そういうものが輝き、力を発揮できるような阿南市となるように、しっかりまた進めたいと思ってますのでまたいろんな形でご協力いただけたらと思います。

最後になりますが、これから武知実波さんとして、どのように阿南市でキラリと輝いていきたいですか。

 

【武】

そうですね。「自分らしく生きる」っていうのことは、まさしく「言うが易し行うが難し」だと感じています。

なので、いかに自分らしく「あー、生きたな自分の人生!」って思いたいし、幸せだったなと胸を張って言えるように生きたいと思ってます。

まだまだ自分自身、未熟なところがたくさんあるので、地元の人に助けてもらいつつ学びつつ、もちろん外の良いところはたくさん吸収して、もっと成長していきたいなって思います。私は、「成長すること=自分らしさ」だと思っているので、より良い自分になれるために、これからも学び続けたいなっていうふうに思います。

好きなことをしてる人ってすごく輝いてると思うので、どんどん自分を早く成長させて、他の人たちのためにやっていけることをもっと増やしていきたいなと思います。そして、サーフィン業界でもまだまだできていないことがたくさんあるので、そこを次の世代のために開拓してる人材になりたいです。そういういろんなことに私自身が挑戦して、失敗もするけどこうやって、挑戦していったらこういうことができるんだよっていうのを後進に見せながら、いろんなことを成し遂げていきたいですし、そして、胸を張ってわしは自分の生きたいように生きてるって言えるように挑戦し続けていきます。

 

【岩】

ありがとうございます。

武知さんには、日本サーフィン連盟の副理事長、また阿南ふるさと大使として、これからの次世代の人々のために、キラリと輝いていただいて、これからもたくさんの方々に阿南の魅力を伝えていただきたいと思います。

お忙しい中、本日はありがとうございました。

 

【武】

ありがとうございました。

 

淡島海岸での記念写真
 
この度の対談会場として協力いただいた、
「淡島シーサイドコテージ」

 

※この度の対談に際しまして、淡島シーサイドコテージの皆様にご協力をいただきました。

お問い合わせ

企画部 秘書広報課
TEL:0884-22-1110
FAX:0884-22-4090