阿南市の企業で活躍する女性との対談【キラリ輝く】

公開日 2025年05月27日

キラリ輝く 第1回【阿南市の企業で活躍する女性】との対談

 

谷 加奈子さん
鴻上 朝香さん

 

 

阿南市の企業で活躍する谷さんと鴻上さんと岩佐市長が対談

記念すべきキラリ輝くの第1回目は、阿南工業高等専門学校を卒業し、阿南市内の企業でお仕事をされている「谷 加奈子(たにかなこ)さん」と「鴻上 朝香(こうがみ あさか)さん」と対談させていただきました。

阿南高専に入学したきっかけや今のお仕事に就職した理由や阿南市の好きなところなど、盛りだくさんな内容となっています。

谷さんと鴻上さん、そして阿南市の企業で活躍する女性の魅力に迫ります!

 

対談

岩佐市長=岩 谷さん=谷 鴻上さん=鴻

 

【岩】

お忙しいところありがとうございます。本日はよろしくお願いします。

 

【谷・鴻】

よろしくお願いします。

 

【岩】

ではまず私から自己紹介をさせていただきます。

改めまして、市長の岩佐です。

市長になって1年と少しが経過しました。年齢は今年で54歳になります。

今回お二人と共通点となりますが、私も「理系」の学校を卒業しております。

岩脇小学校、羽ノ浦中学校を卒業してから富岡東高校に入学し、その後広島大学の理学部に進みました。そこでは「物性物理学」を学びながら、ものづくりを行っておりました。

そのあとは、家が農家だったこともあって、専業農家となり、県議会議員になって、今市長という立場に就かせていただいています。

本日は、「理科」などを含めたいろいろなお話を聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。

 

【谷】

よろしくお願いします。谷 加奈子(たにかなこ)と申します。

阿南市の羽ノ浦町出身でして、羽ノ浦小学校、羽ノ浦中学校を卒業しておりまして、市長さんと同じ中学を卒業していたので、少し親近感を覚えています。

その後は、阿南高専に入学して電気科に進み、専攻科の課程を修了して、王子製紙株式会社の富岡工場で勤務しております。

王子製紙では、 工務部の電気計装課に配属しておりまして、工事の現場で仕事を行っていました。

業務内容としては、現場で使用している機器等が壊れた場合の修繕などを行っておりました。

現在は、プライベートな話にはなりますが、結婚と出産を経て、時短勤務という形で職場復帰をさせていただいておりまして、工場の電力管理など、電気関係の事務作業を行っております。

 

【岩】

ありがとうございます。

ちなみに事前にいただいたプロフィールにも書いていただいておりました、趣味についてお伺いしてもよろしいですか。

 

【谷】

今は子育て真っ只中で、自分の時間を取るというよりは、いかにストレスを発散するかというところになっています。

その中で、「カラオケ」に行くことや「お酒を飲む」ことが大好きで、家でこどもを寝かしつけたあとの自由時間を楽しみに、毎日頑張っています。

 

【岩】

なるほど。ありがとうございます。

次は、鴻上さんお願いします。

 

【鴻】

よろしくお願いします。鴻上 朝香(こうがみ あさか)と申します。

私は徳島市八万町の出身です。生まれも育ちも八万町で、八万中学校を卒業した後、阿南高専に入学しました。

八万町では「城南高校」が近いことから、周りの人はほとんど「城南高校」に入学を希望していましたが、私は人と違ったことがしたいという気持ちがありました。

ただ、通学時間を多く掛けるのは嫌だと思っていたので、寮があるというのも阿南高専を選んだ理由の1つです。

阿南高専に入学してからは、「情報コース」に希望を出していましたが、1年生の間はすべての学科を経験することになっており、様々な分野を勉強した結果、「電気電子工学科」を自身で選びました。2年生から5年生まで「電気電子工学科」に所属し、卒業しました。

卒業後は、阿南市にある「GF(当時は藤崎電機)」に就職し、現在も続けて勤務しております。

今の業務内容としては、水道施設の中の設備(制御盤など)の電気設計、現場工事などを担当させていただいてます。

 

【岩】

ありがとうございます。

趣味についてもお伺いしてもよろしいでしょうか。

 

【鴻】

趣味ですが、最近はじめた着物を着ることです。

もともと、学生時代「茶道部」「書道部」に所属しており、着物とは縁があるところに居たんですけど、自分で着るということはしたことがなく、浴衣は阿波踊りのときなどに着るくらいで着物を着るのは難しいだろうなと思っていました。

最近知り合った友達が、着物を着ることが趣味で、その友達からいろいろと情報を教えてもらい自分でYoutubeを見ながら勉強をしています。

 

 

 

 

 

 

「カッコいいな、こういう風になりたいな」って思ったのが入学したきっかけ

 

【岩】

よくわかりました。

お二人ともそれぞれの小学校、中学校を経て、阿南高専を選ばれたということですが、お二人は同級生になるんですかね。

 

【谷・鴻】

はい。そうです。

 

【岩】

お二人とも同級生で「電気電子工学科」を卒業されたという縁で本日ここに来ていただいていると思います。

私も、中学生の時は「理科好き」だったので、進路を選択するときに「阿南高専」も候補に入ってました。友達も数人、阿南高専に進学しています。

結果的には、私は「富岡東高校」に進学しました。

お二人が阿南高専を選んだ、行ってみようと思った理由はなんですか。

 

【谷】

私の方から申し上げますと、就職率の高さとその就職先の魅力です。

就職先一覧というのが、阿南高専のパンフレットに載っているんですけど、そこには名だたる大手の企業名前があって、進学先一覧を見るよりは就職先一覧を見る方が興味をそそられました。

また中学生時にある、富岡東高校、富岡西高校の入学体験にも参加して、最後に阿南高専に行ったときに、普通科の高校にはない、4年生・5年生・専攻科生の方たちがお世話をしてくれたのが、すごく大人っぽく見えてカッコいいな、こういう風になりたいなって思ったのが入学したきっかけです。

 

【岩】

そしたら、体験入学とかしてみて、最初はどのような学科を学びたいと思いましたか。

 

【谷】

体験入学では、それぞれの学科にていろんな体験ができて、例えば機械科では「旋盤」を使ってネームプレートを作ろうだとか、いろいろなものがありました。

その中で私が選んだものは、「音センサー」を使ったもので、手を「パン」と叩くと人形が跳ねるといった、自分が何かをすることで、何か動作が行われるといったことがすごく魅力に感じ、こういったセンサーというものが世の中にあることを知るということが、中学生からすると初めての経験でした。

こういった経験から「電気」などのコースに憧れて、入学したのが始まりです。

 

【岩】

はい。わかりました。

鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

私は、もともと父がパソコンの仕事に就いていたことから、小さいころからパソコンが好きでした。

それが影響もしていて、高専で学べることを見たときに、先ほど谷さんもおっしゃってた就職率の高さだとか、自分が受け身で学ぶだけじゃなくて、自分から動くことでいろんな体験ができることとかが、普通の学校とは、また違う魅力があるなと感じて、高専に行ってみようと思いました。

 

【岩】

なるほど。

お二人から体験入学とかこどもの頃からの経緯とかのお話を聞かせていただきましたが、「理科が好き」とか「工作が好き」と思うようになって「理系」の道に進みたいなって思ったのはいつ頃からですか。

 

【谷】

そうですね、中学生のころの勉強って、「理系」とか「文系」とか関係なく、万遍なく学ぶと思うんですけど、そこではこっちが得意だなとか思ったことが無かったです。

質問の内容と合っているかはわからないのですが、高専に行って「理系」に強制的にベクトルを向けたって言うのが私の場合は正しいですね。授業の中でも「国語」と「英語」は、普通科の人が習う内容よりも少ない分、専門をみっちり学習するため、好きになるしかないという感じですかね。

 

【岩】

特に決まって「理系」だから高専に行ったっていう感じではなかったわけではないけれども、

 

【谷】

そうですね。

 

【岩】

でも別に「理科」とかが嫌いでもなかった感じですかね。

 

【谷】

興味があって入った学校が、もう完全に「理系」の学校だったっていうところが大きいですね。

でも、実際に入ってみて、ものづくり体験とか実験とが多いので好きになりました。

 

【岩】

なるほど、ありがとうございます。

鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

 

私は、中学校の時は本当に暗記科目が嫌いで、社会とか特に歴史などを覚えることは覚えるんですけど、暗記をするっていうことが好きではないなっていう風に感じていました。

数学とか理科だと、公式などの根本となる部分を理解しておけば、あとは応用をすればいいというところが、自分に合っているかなという感覚はありました。

 

【岩】

私も同じタイプで、暗記系の科目はダメで、あと国語嫌いっていうのもあったんですけど、お話を聞いていてそれぞれ得意な分野とか覚え方もあるんだろうなって感じました。

教科でいうと図工は好きでしたか。

 

【鴻】

図工は好きでした。

本棚作ったりとかしたのが、印象に残っています。

 

【岩】

国の方も女子学生・生徒の理工系分野の選択を促進する動きとかもあって、性別とか関係なく自身が興味のあることを伸ばしていくことは大切なことだなと思っています。

その中で、それぞれ経過は違うけれどもいわゆる「理系」の道に進まれたと思います。また、「理系科目」とかを好きになった理由とかも若干違うとは思います。

そこで、振り返ってみて、いわゆる「理学」とか「工学」と言われる科目の好きなところとか魅力とかってどこだと思いますか。

では、順番にお願いします。

 

【谷】

私が好きだなと思うところは、答えが決まっているというところです。

これは特に社会に出てからの方が長いので余計にそう思うのかもしれないんですけど、「動く」か「動かない」か、「上手くいく」か「上手くいかない」かというように結果のフィードバックがどちらかしかないっていうのが魅力だと思っていて、上手くいかなかったときに自分で試行錯誤をして、結果上手くいったときにやりがいを感じます。

 

【岩】

鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

私は、「理学」とか「工学」って意識をして学んでいなかったいうところがあるんですね。

例えば「理科」であっても、問題文は日本語で書いてあるので、国語が全くできなくてわかるっていうものでもないので。

そういった意味では、本当にいろんな学問とか分野の知識を集結させてこそ、問題が解けると思っていて、様々な情報を組み合わせて答えを導いていくっていうのが魅力かなと今思っています。

【岩】

そうですね。

私も同じような思いで、公式とかいろんな現象とかも、そこにはちゃんとした原理・原則があって、今までにその法則とかが導いてこられているわけですよね。

だから、これは私自身の考え方にはなってしまいますが、逆に言えば国語とかにおいては、「作者の想いを」と言われても、それは人によって捉え方が違うっていうのがあって、別の角度で見ると違うよなって思うので、答えが曖昧になるのが納得いかないと思ってしまうところもあります。

こういう思いもあることから、私は数学とか理科とかが好きになったっていうのもあります。

では次にですが、実際に高専に入ってみての思い出というところで、勉強とか実習的なもの特に電気電子工学科の中で何かやったこととか、それ以外で例えば部活動とかの学生生活の中での思い出とかあれば教えてほしいです。

 

【谷】

そうですね。

いくつか挙げますと、まず寮生活は非常に楽しかったです。鴻上さんとは15歳からの付き合いで、寮で出会ったのが始まりでもう15年のお付き合いになり、人生の半分を過ごしているというのは、この寮生活がきっかけです。

この寮生活がなければ、なかなか仲良くなる機会もなかったし、また強制的に親元を離れることで自立もできたのは良かったです。

あと高専の制度で、インターンシップの代わりに留学が選べたりするので、私は4年生のときに海外に2か月ほど行かせていただきました。

 

【岩】

ちなみにどこへ行かれたんですか。

 

【谷】

インドネシアに行きました。

今考えると本当に贅沢だとは思うんですけど、旅費とかも全部高専側とその提携校が出してくれたりするおかげで、ほぼほぼ無料で行けました。

また、研究室の発表でもドイツとかに行かせてもらったりもして、本当に貴重な経験だったなと思います。

あと社会人になってから、高専で扱っていた実験器具を会社で購入しようかってなったときに、金額を知ってびっくりしました。そんなものを学生時代に使わせてもらっていたんだなっていうのを後から知り、貴重な体験や実験ができていたんだなと感じました。

【岩】

それは凄い経験ですね。

ドイツにも行かれたんですか。

 

【谷】

研究室の教授の付き合いで、ドイツで展示会の発表があるから、研究生も何人か連れていく必要があるっていうので行きました。

インドネシアへ行った経験から、日常会話程度には英語を話すことが出来るようになったことで選んでもらいまして、ドイツの方に研究内容を説明するなどをしたことがあります。

 

【岩】

鴻上さんはどうですか。

高専での思い出など教えてください。

 

【鴻】

そうですね。

高専での勉強面でいうと、先ほど谷さんからインターンシップが出てたと思うんですけど、私は「オムロン株式会社」というところにインターンシップで行かせていただきました。

そのインターンシップは、会社のことを学ぶという、「シーケンス制御」という分野があるんですけど、それを学ぶ「制御技術教育キャンプ」に参加し、それを学ぶために全国から学生が集まって、グループワークで課題に応じたプログラムを2週間かけて学生のチームで自由に取り組みました。

そこでは、実際に動作させてっていう楽しさもあったし、全国の学生との交流が持てたというのも楽しかったです。社会人になってもそうしたことがしたいと思っていたので、それができる会社っていうので今の会社を選んで、今それがずっと続いているので、社会に出てからも使えるような知識を学ばせてもらえたのはすごくよかったなと思っています。

あとは、学園祭で「蒼阿祭」っていうのがあるんですけど、それの執行部に入っていました。

この「蒼阿祭」は準備だとか企画のところからすべて学生がするので、執行部に入って経験することができて、それが社会人になってからもイベントとかを企画するってなったときに生かされているなと思います。

 

【岩】

高専といえばロボコンとかあると思うんですけど、そういうのには出場しなかったんですか。

 

【鴻】

谷さんも、私もやってはないんですけど、私はロボコンの大会の司会をさせていただいたことはあります。

実況司会みたいな感じなんですけど、そういった形でお手伝いをさせていただきました。

 

 

大切な電気などのエネルギーを生み出すことやインフラである水道事業に関われることが本当にやりがい

 

 

【岩】

そうなんですね。

ロボコンとか見ると面白そうだなって思うんですけど、みんなでアイデアを出しながら一つのものを作るっていうのがすごく魅力的だなと感じます。

先ほどから言われているように、みんなで試行錯誤しながら上手く動作をさせていくこととか、見ていて本当にすごいなと思います。これも一つ高専の魅力だと思っています。

次なんですけど、先ほどの中でも若干お話いただいたんですけど、高専での学びを経て今それぞれ「王子製紙」さんと「GF」さんに就職されていると思うんですけど、今の就職先を選ばれたきっかけと今の仕事でのやりがいなどを教えていただければと思います。

 

【谷】

就職したきっかけっていうのが、高専での学びを経てっていう趣旨からずれるんですけど、王子製紙富岡工場には今まで女性管理職が居なかったんですね。

それでこれから女性が活躍するモデル工場として進めていきたいっていうお話があった中で、一度見学にきてほしいとのお誘いがありました。

お伺いしたところ、上層部の方にお出迎えをいただくなど本当に熱烈な歓迎をしていただき、期待に応えたいという思いが芽生えました。

いろいろとインターンシップに行っていた中でも、私自身も就職先を決めかねていたっていうのと、少し変わったこととか新しいことがしたいという気持ちから、富岡工場で初の女性管理職になることが一つの目標になって、入社を決めました。

実際に入社してからは、腰道具なども背負って現場に行くことも多いので、周りも心配していただいたりもしたのですが、自分に「できること」と「できないこと」を判断をしながら、現場の業務も進めることができるようになってきました。

メンテナンス部門に所属しているので、「流量計がおかしいので見に来てほしい」や「バルブが開かないから直してほしい」等の連絡を受けると、実際に現場に行って、その原因を調査をして突き止め、修繕をすることができたときにやりがいを感じます。

 

【岩】

ありがとうございます。

では、鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

私のきっかけは、高専の行事で就職に関する企業の合同説明会を実施しており、そこで初めて藤崎電機を知りまして、ブースで説明を受けたときに、自分のしたかった「シーケンス制御」が使えることを知りました。

私はもともと県内で仕事がしたかったということと、「シーケンス制御」を生かした業務に携われるということから、藤崎電機に入社をしたいと思い、面接において思いを伝えさせていただいたところ、入社することができました。

実際に入社して最初は、工場内の自動化装置、製造ラインのプログラミングなどを行いました。

その時は、自分の作ったプログラムで、製造ラインが動くことにより、お客様のもとに物が届いて、喜んでいただけるということがやりがいに感じていました。

7年程度この業務をさせていただきまして、その後「自然エネルギー発電」に携わるようになり、太陽光パネルを山の斜面に設置する際のパネルのレイアウトを「3D CAD」で設計したりとか、現在は水道関係の業務に携わっており、この地元「阿南」というところから県内の企業や地域に住んでいる人が使っていく大切な電気などのエネルギーを生み出すことやインフラである水道事業に関わらせていただいていることが本当にやりがいだなと感じています。

【岩】

なるほど。

本市においてもどの業務にも言えることではありますが、特に技術系の職員の確保が大変厳しい状況にあることから、水道事業を含め民間事業者との連携というのが大切になってくると考えております。

そういうことからも、鴻上さんにはもっと輝いていただくことになると思いますので、今後もその気持ちを大切に頑張っていただきたいと思います。

次になんですが、お二人とも阿南市の企業に就職していただいているのも阿南高専に入学して、いろんな企業さんを知ってそれぞれ就職先を決められたと思います。

先ほど鴻上さんは、阿南高専の合同説明会で藤崎電機を知ったと仰られていました。谷さんの就職されている王子製紙は、大企業であり多くの方が1度は耳にするであろう会社でありますが、本市にはこういった「大企業」のだけでなく、「GF」のような素晴らしい企業さんがたくさんあります。

その素晴らしい企業がたくさんあることを、今後どのように広めて行くかも大切なことであると考えています。それによって県外に一度出てしまってもまた帰ってきてもらうためのきっかけになると思っています。

またそれに加えて「阿南市」の魅力をたくさんの方に知っていただくことも大切だと考えています。

そこでなんですが、お二人は県内に残っていただき、阿南市で仕事をしていただいている訳ですが、そのお二人が「阿南市の魅力」というものを感じていることってありますか。

 

【谷】

そうですね。

私は、生まれも育ちも、今住んでいるのも阿南市なので、本当にありがたいと思っているのが「子育て支援」の充実です。

こどもを預けていますが保育所も0歳から無償ですし、医療費も18歳まで無償化されてるのが、本当に最先端だなと感じています。

東京などでもようやく始まった子育て支援も、阿南市はすでに導入していることから、本当に阿南市は子育て支援や少子化対策に関しては最先端を走っているなと感じています。

本当に住みやすい町で、私の家の周りもどんどんと新築が建っています。

 

【岩】

よくわかりました。

では、鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

私が思う阿南の魅力は、自然が豊かで、海も近くでキレイなところです。

職場でも農家を兼業している方も多くて、そこで採れた野菜をだとか、産直市もあって、新鮮な野菜や果物とかが手に入りやすく、しかも値段もすごく安いということが生活をしている中でとてもありがたいという風に思っています。

 

【岩】

ありがとうございます。

私自身も阿南市の持つ自然はとても魅力だと感じております。

この度、阿南市の設計図となる「阿南市総合計画」というものがありまして、昨年度が中間の見直しを行う年になりまして、そこで阿南市の進むべき方向性などを改定いたしました。

その中で、2028年の都市像を「輝く個性を育む 自然と調和した産業都市 阿南」と新たに掲げました。この度の「キラリ輝く」は前段の「輝く個性を育む」というところから始めた企画で、一人ひとりの個性とか、地域の持っている個性、地域性っていうのをもっと育んでいきたいな、そしてそこに人がまた集まってきて新たなものが生み出していけると思っています。

加えて、後段では鴻上さんも先ほど仰っていただきましたが、豊かな自然がたくさんある。でもそれだけじゃなくて、阿南市がここまで発展して来たっていうのは、「産業都市」として歩んできたからです。

昭和30年代に今の王子製紙の前身である「神崎製紙」が立地をしていただき、そこから四国電力などの発電所や日本電工(現在の新日本電工株式会社)などの多くの企業が立地していただき、そこに地元企業である日亜化学が大きく発展をしてくれたという、製造業を含めた産業都市として発展してきたから今の阿南市があります。

その中で、現在カーボンニュートラルなどの転換点にあることから、「自然と調和した産業都市」として、次のステージへ伸ばしていきたいという思いから付けさせていただきました。

これから更に「産業都市」として発展していくためには、本市の強みである、王子製紙やGF、日亜化学などの製造業、加えて蓄電池産業に関連する企業も立地をしていることから、理系の人材をもっともっと増やしていきたいと思っています。

阿南市が、徳島県全体もそうですけど、特に県南において働ける場所にならないと、これから先において大変厳しい状況になると考えています。

現状、様々な子育て支援策を行っておりますが、人口減少も進んでいて、年間約1,000人くらいのペースで減少しているんですね。

那賀川町、羽ノ浦町と合併した当時では、7万人後半いた人口が現在は6万5千人ほどまでどんどんと減ってきてます。そこにおいて、2024年の出生数が約350人ほどになっていて、今年の成人式の対象が約650人くらいだったので、この20年間で約半数まで減少している状況にあります。

阿南市には、日亜化学を含めた企業で働くために、毎朝約7千人程度の人が徳島方面から通われています。本当は、そういった方に阿南で定住もしていただきたいと考えていて、子育て支援を含めた様々な施策を行ってい、少しでも暮らしやすいまちにしていきたいと考えています。

そして、多くの人に阿南市で暮らしたい、そう思ってもらえるように、次の産業づくりを進めたい。そのための、理系人材を増やしたいという思いもあります。

そういった思いから、この度、お二人と対談させていただき、少しでもたくさんの方に理工系の道を知ってもらいたいと思っています。

それと私自身が、市長に就任させていただいて「こういう阿南にしたい」という思いも聞いていただきました。

これを踏まえても、もちろん踏まえなくてもいいんですが、これから「どんな阿南市になったらいいな」って思いますか。

 

【谷】

そうですね。

先ほど私が言った、子育て支援がありがたいっていうのは、私が大人になって初めて気づいたことで、このことによって、こども自身が阿南市がいい町と思うかは別であると思います。

じゃあなんだろうと思ったときに、こどもが気軽に参加できる体験型イベントが充実していれば、記憶にも残るのではないかなと思います。

例えば、阿南高専とタイアップするなどして、こどもが理系や工学に興味が持てるような楽しいイベントを行うことで、県外に行ったとしても、地元に戻りたいと思えるような、記憶に残る体験があればいいなって思いますね。

 

【岩】

なるほど。

鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

はい。

今、岩佐市長から阿南のビジョンっていうのがあったと思うんですけど、GFにおいても、2033年ビジョンとして「Great local company(グレート ローカル カンパニー)」というのを、今掲げています。

これは、自然エネルギー発電などで得たエネルギーを地元で使う、エネルギーの地産地消を進めようとしておりまして、私もエンジニアとして関わっているところです。

産業が発展するにしても、人が生活しようとするにしても、何をするにしても、エネルギーというのは必要になってくるので、そのエネルギーを地元で作って、地元で使えたら本当に幸せなことだなと思っています。

それをシステムとして構築していくことで、住んでいる人たちが防災面でもそうですし、雇用面においても安心して暮らしていける阿南になることを信じて、今携わっています。

 

【岩】

そうですね。

エネルギーの地産地消の話とかは、特に今において災害のリスクが高まっている状況なので、災害時や非常時などにおいて特にどうしても電気は必要になってくると考えております。

あと、先ほどの谷さんの話の中で、体験型イベントというお話をいただいたんですが、お二人は、阿南市の「科学センター」に行ったことはありますか。

 

【鴻】

私は行きたいなと思ってはいるんですけど、まだ行けていないです。

 

【谷】

私はあります。1年前くらいに行きました。

 

【岩】

こどもを連れて行かれたんですか。

 

【谷】

はい。こどもを連れて行きました。

 

【岩】

ちなみに、谷さんがこどもの頃は行かれましたか。

 

【谷】

それは行ったことがないです。どちらかと言えば、あすたむらんどに行っていました。

 

 

【岩】

科学センターでは、こどもたちの理科学習を行っていまして、理科の授業において科学センターに来てもらっています。

科学センターの中にある理科室みたいなところで、いろんな実験やったりとかしています。

徳島県内において自治体が持っている科学センターは、阿南市だけでなんですね。

あすたむらんどにも科学館があるんですけど、ここは徳島県の施設になるのでいわゆる市町村などの自治体が持っているわけではないんです。

阿南市の科学センターが持っている望遠鏡は四国一なので、ぜひ夜の天体観測にも行っていただければと思います。

私の中の構想としては、中の展示物が少なくなってきているので、企業とか高専とかとコラボしながら、いろんな体験ができるようにと思っているので、それも進めていけるようにしていきたいと思っています。

あとよく言われるのが、遊ぶ場所がないとか、買い物をする場所がないとかを言われるんですけど、どう思いますか。

 

【谷】

私が今住んでいるのが羽ノ浦町なので、ちょうど徳島市内に出ようと思えば出られてしまうので、そこまで不便は感じないですけど、高専の中でも上那賀に住んでいる子からすると、阿南にあるお店でわくわくしていたとも聞きます。

阿南市もとても広いので、どこを中心地にするのかは難しいところかもしれないんですけど、その中心部に大きなショッピングモールとかあれば良いなあとはもちろん思います。

 

【岩】

富岡地区でいえば、阿南駅もあって、フジグランもあって、アピカもあって、生活をする上ではそこまで不便はしないとは思うんですけどね。

 

【谷】

ただ子育てをする上では、やっぱり小松島より北に行くことが多いですね。

こどもを連れてどこかに行くと言われると、阿南市の中では選択肢が無いというのは困っていますね。

 

【岩】

やはりよく言われるのが、特に雨の日において遊ぶ場所がないというのは言われますね。

イオンとかゆめタウンとか皆さんよく行かれていますよね。

室内遊具っていうわけではないけれど、やっぱり遊ぶところってなるとラウンドワンがほしいとかっていう声は聞きます。

どうしても高校を卒業して、県外の大学などへ行って帰って来ようかってなる「町としての魅力」っていうところと、もう一つは給与面などにおいていいところだなって思ってもらえる就職場所がたくさんあるような場所を作る、帰って来たいな思ってもらえる気持ちを醸成する、地元を愛を育んで行きたいと思っていますので、引き続き、ご協力をよろしくお願いします。

また、周りにも阿南はええとこやでって宣伝してくれたら嬉しいです。

では、最後の質問になりますが、「キラリ輝く」という名前で企画していますが、就職もされ、子育てもしながらというところで、それぞれ職場とか人生の中で、これから更にキラリと輝いて行ってほしいんですけど、ご自身それぞれどのように「キラリ」と輝いていきたいと思っていますか。

 

【谷】

そうですね。

私がこの王子製紙に入社したのが、工場初の女性管理職になってほしいと会社から思っていただいてのことではあるんですが、今は子育ての関係から時短勤務をするなど操業の業務からは離れてしまって、これからどうしていこうかと思っているところではあります。

その中で、今DXの推進業務を私が先駆者として頑張って進めていこうとしていているところで、唯一無二の業務に携わることができていてやりがいを感じているところです。

このまま当初の目標である初の女性管理職をめざしながら、キラリと輝いていきたいと思っています。

 

【岩】

ありがとうございます。

鴻上さんはどうですか。

 

【鴻】

私はですね、子育てという自分の人生の経験を経て、本当に自分自身が幸せで居るということもそうですし、自分の周りの人が輝いていれるような人物になりたいと漠然と思っています。

自分が先陣を切って、切り拓いていくというイメージよりは、一緒にみんなで上っていくいうイメージを持っていて、そういう風な周りに影響を与えられるような人になりたいと考えています。

 

【岩】

そうですね。

業務にしても、いわゆるパイオニアっていう部分と、みんなで輪になって輝くという部分では、そこはアプローチの仕方とかが全然違うと思います。

パイオニアとして、今GFさんとかでいろいろ事業をされていて、もちろん課題は多いと思いますし、乗り越えて行かないといけない試練の部分が大きいのかなと思いますけど、それをしっかりと乗り越えてもらって、常に輝けるような人となっていただきたいと思っています。

お二人とも子育てをしながら、それぞれが持つ目標に向かって進んでいることは、本当に素晴らしいしキラキラと輝いていると感じています。

これから先、お二人を目標とするような、阿南のこどもたちが育ってくれると嬉しいです。

本日は、貴重なお話をありがとうございました。

 

【谷・鴻】

ありがとうございました。

 

なお、対談に際しまして、国立阿南工業高等専門学校にご協力をいただきました。

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