公開日 2024年10月18日
令和6年阿南市議会9月定例会においてご論議やご指摘いただきました、当事案について、市の考え方を整理いたしましたので、次のとおりご報告いたします。
1 阿南市庁舎における阿南市職員労働組合連合会事務所の行政財産使用について
⑴ 現状について
新庁舎(高層部)の完成後、阿南市職員労働組合連合会(以下「組合」といいます。)は、平成27年2月28日から現在の108会議室の使用を始め、その後、平成28年1月23日から現在の場所に移転し、現在に至るまでの間において、その事務所として市庁舎の一角を無償で使用してきました。
その間に、庁舎の用途又は目的を妨げる事情はなく、また市から組合に対して明渡しを求めたこともなく、行政財産の使用料を請求したこともありませんでした。
⑵ 組合の目的等について
(ア) 組合の規約において、組合は「組合員の勤務条件の維持改善と資質の向上をはかること」を主な目的としています。
(イ) 組合は、阿南市職員共済会(事務局人事課)が行う職員の福利厚生のための各種助成事業による職員への助成金の振込事務と同会の会計管理事務を実施しています。
(ウ) 組合は、海岸防災林の再生活動、災害ボランティア支援活動、那賀川のアドプト活動などの社会貢献活動に参画しています。
⑶ 事務所の行政財産の目的外使用の許可(以下「使用許可」といいます。)について
上記⑴⑵及び関係法令等の規定からすると、組合の事務所の使用については、阿南市公有財産規則(以下「規則」といいます。)第22条の許可の要件及び阿南市行政財産使用料条例(以下「条例」といいます。)第7条で定める減免の要件に該当する事実があるといえ、組合から行政財産使用許可申請書の提出や減免申請書の提出はないものの、市庁舎内の使用については、使用許可なくして使用ができるようなものではないことは明らかであって、現に無償で市庁舎内の一角を使用している実態があることからすれば、組合に対して行政財産使用料の全額を免除する決定と光熱水費を徴収しない決定を含めた使用許可があったことは明白であります。
なお、光熱水費については、組合の職員の福利厚生に資する団体の性格や事業内容の公益性に加えて、物理的に子メーターの設置が困難で、正確な電気使用量の算出ができないことから、徴収しない取扱いとする認識が継続されてきたものであります。
以上により、組合は、事務所の使用について、使用許可を受けずに不当に占有していることには当たらず、事務所の使用料については減免規定が適用され、光熱水費については徴収しないという取扱がされていることから、市が組合に対し、使用料及び光熱水費を請求する必要はないと考えております。
2 自動販売機の行政財産使用について
⑴ 現状について
組合が設置する自動販売機(9台)に係る今年度分の行政財産の使用については、本年3月28日に行政財産使用許可申請書の提出がなされ、同日付けで行政財産使用許可書を交付しています。
⑵ 自動販売機の設置に係る使用料の減免について
当自動販売機の設置が、職員の福利厚生の充実を図る目的のほか、フリーWi-Fi機能、災害時に災害用情報を伝達する機能や飲料の無料提供ができる機能を備えたものを設置するなど、来庁者の利便のための目的を有し、公共的な目的を果たしていること、組合は、職員の福利厚生事業や公益性のある事業を実施している公共的団体等であり、自動販売機の設置が収益の目的ではないことから条例第7条の減免規定に該当すると考えております。
条例第7条では行政財産使用料の減免の適用は、使用者から申請が必要とされていますが、具体的に申請方法を規定するものはないため、口頭や減免を求める一定の表示行為による申請も可能であり、行政財産使用許可書に行政財産使用料の記載がないこと、現に減免されていること、長期間同じ方法が繰り返されたことからすれば、減免申請はあったものと判断しております。
以上により、自動販売機の設置に係る使用料については、条例第7条の減免規定が適用されているから自動販売機の設置に係る行政財産使用料を徴収する必要はないと考えております。
3 今後の対応について
今後については、令和6年阿南市議会9月定例会におけるご論議やご指摘を踏まえ、組合事務所については、手続の可視化による透明性の確保を図るため、組合に対し、規則第25条に定める今年度の行政財産使用許可申請書の提出及び条例第7条に定める減免申請の書面による提出を速やかに求めてまいります。
また、組合の光熱水費については、前述の理由により今年度は徴収しないこととし、次年度以降に向けては、近年における他自治体の状況を把握するとともに、算定方法や子メーターの設置方法の調査を行った上で、「本市としての今後のあり方」を早急に検討いたします。
自動販売機については、次年度以降、市の他の施設に設置している自動販売機の管理方法を参考に、「組合の管理」から「事業者の管理」への切り替えに向けて、早急に検討を進めてまいります。