公開日 2019年09月10日
下水道の日とは?
「下水道の日」の前身は、昭和36年(1961年)に定められた「全国下水道促進デー」です。
当時の全国下水道普及率は、わずか6%しかなく、その普及促進を目指して制定されました。
そして、近代下水道の基である旧下水道法が制定された明治33年(1900年)から100年を迎え、21世紀の始まりの年でもある平成13年(2001年)に、より親しみのある「下水道の日」に名称が変更されました。
9月10日は、そもそも雑節の1つである「二百二十日(にひゃくはつか)」にあたります。
立春から数えて220日目である「二百二十日」は天候が悪くなる農家の厄日の1つとされており、また、台風が襲来する確率が高まる日とも言われています。
大雨や台風への備えが必要とされる日であり、下水道の大きな役割の1つである「雨水の排除」に通じるものがあると言うことで、この日が「下水道の日」に選ばれました。
「下水道の日」をきっかけに、皆様には下水道の役割についてご理解を深めていただきたいと思います。
※「広報あなん」9月号に、「下水道の日」特集が掲載されています。(P8)
下水道の種類
下水道法上の下水道
1.公共下水道・・市街地の下水(汚水と雨水)を地下に埋設された管渠で排除し、終末処理場で浄化処理して、公共用水域に放流する施設。
2.流域下水道・・複数の公共下水道から排除される下水を流域幹線に接続し、終末処理場で浄化処理して、公共用水域に放流する施設。
3.都市下水路・・都市部の浸水対策を目的とする雨水排水路。原則として明渠であり、終末処理場を有しない。
また、下水道に類似した施設として、農業集落排水やコミュニティ・プラントなどがあります。
阿南市では羽ノ浦町岩脇地区に農業集落排水、羽ノ浦町春日野団地、那賀川町ゆたか野団地及び伊島町にコミュニティ・プラントがあります。
下水排除の方法
「合流式」と「分流式」の2種類があります。
・合流式・・汚水と雨水を一つの管渠で排除する方式。比較的早い時期に整備を開始した下水道で多く見られる。
・分流式・・汚水管渠と雨水管渠を設け、両者を別々に排除する方式。
阿南市の下水道は雨水と汚水を別々に処理する「分流式」が採用されています。
阿南市の下水道処理施設
阿南市の公共下水道事業は、現在富岡町内の80.8haの区域で実施されています。
○富岡浄化センター
所在地:阿南市七見町中塚550番地1
供用開始:平成23年4月1日
家庭から出た汚水(台所・風呂・トイレ等)は、敷地内の公共汚水ますで集約され、道路に埋設された下水道管を通って、富岡浄化センターへ送られます。
富岡浄化センターでは、汚水を微生物によって分解、浄化して、打樋川へ放流します。
○富岡雨水ポンプ場
所在地:阿南市富岡町佃町576番地1
供用開始:平成18年度
雨水は、道路の側溝や水路を通って富岡雨水ポンプ場へ送られます。
富岡雨水ポンプ場では、流れ込んだ雨水を、ポンプで桑野川へ排水します。
通常、汚水は管渠の勾配(傾き)により自然流下で処理場まで流れていきますが、地質などの条件により管渠に十分な勾配が確保できない場合があります。その場合、中継ポンプ施設などを設けることになります。
阿南市には次のような施設があります。
○宅内ポンプ施設
各家庭に汚水ポンプを設置し、汚水を隣接する道路の地下に埋設された汚水管渠に圧送します。現在は7か所あります。
○マンホールポンプ施設
一定区域の家庭から排除される汚水を1か所(マンホールポンプ場)に集め、ポンプで圧送して汚水管渠に流入させます。現在、北通、第住町、小山、木松の4か所にあります。
○真空式下水道施設
各家庭に設置された「真空弁ユニット」から、管内の真空状態を利用して、汚水を真空ステーションに送り、汚水管渠に圧送する施設です。現在、滝の下・玉塚地区と西池田地区の2か所にあります。
下水道の役割
下水道には、次のような役割があります。
1.家の周りに汚れた水が溜まりにくくなり、悪臭や害虫の発生を防ぎ、街が衛生的になります。
2.浄化槽がなくてもトイレが水洗化されるため、衛生的で快適な暮らしができます。
3.家庭や事業所の汚水がそのまま川や海に流されることがなくなり、自然の美しさを守ることができます。