第5次阿南市行財政改革4か年の成果について

公開日 2021年09月27日

 

 

阿南市行財政改革のあゆみ

 

本市では、昭和57年の阿南市行財政改善審議会の設置に始まり、これまで市民の皆さまから意見をいただきながら、時代に即した行財政の改善・改革を進めてきました。

平成18年の合併後においては、平成19年3月に第3次阿南市行財政改革推進大綱および実施計画(集中改革プラン)を策定し、合併効果を最大限に生み出すことに重点を置きながら、「職員の定員管理・給与の適正化」や「事務事業の再編・整理、廃止・統合」等に取り組みました。

また、行財政改革を不断の取組とするため、平成29年3月に策定した第5次阿南市行財政改革推進大綱に基づく実施計画では、「市民の視点に立った行政経営」、「効率的な行財政運営の推進」、「人材の育成と組織力の向上」を基本目標に掲げ、11の実施項目に関連付けた91の実施施策に取り組みました。

令和3年7月からは、第5次阿南市行財政改革推進大綱の計画期間を1年前倒しで終了し、短期的な目標設定の上で具体的な成果をあげることを目標とする「阿南市行財政集中改革プラン」に基づく行財政改革に移行しています。

 

 

1 取組内容と取組結果の概要

 

実施項目 項目数

実施施策

(★は重点施策)

赤文字は目標達成)

取組結果

H29~R2

効果額

(千円)

目標

達成

一部

実施

検討
(1)ICTの活用と市民サービスの向上 9

・オープンデータの推進

・デジタルサイネージ及び窓口番号案内システムの導入(★)

・マイナンバー利用によるこども医療費助成申請手続の簡素化 

・幼保一体化の推進

・創業・起業支援の推進

・ホームページを活用した学校教育の情報提供

・電子図書館の導入・運用

・議会中継による配信サービスの実施(★)

・阿南市メールを活用した行方不明者情報の配信

9 0 0 3,083
(2)市民参画の推進と公正・透明な市政の推進  6

・地方行政サービス改革等の「見える化」の推進

・男女共同参画社会の実現に向けた取組の推進

・遍路文化遺産の普及啓発と地域活性化

・違反対象物(建築物)の公表制度の導入

・出前市長の推進

・審議会等への女性の参画拡大

5 1 0
(3)民間活力の活用 22

・「阿南市くらしの便利帳」の改訂及び無料配布

・窓口業務(戸籍等の証明発行業務)の民間委託の検討(★)

・火葬業務の民間委託の検討(★)

・文化施設への指定管理者制度の導入(★)

・家庭ごみ収集・運搬業務の民間委託等の検討(★)

・窓口業務(障害者手帳交付申請受付等)の民間委託の検討(★)

・法人後見事業の推進(★)

・児童館・児童遊園管理業務の民間委託の検討(★)

・かもだ岬温泉保養施設の民間委託等の検討(★)

・「野球」によるスポーツツーリズムの推進(★)

・市道維持補修等の民間委託の検討(★)

・市道除草・清掃業務等の民間委託の検討(★)

・都市公園一元管理の民間委託の検討(★)

・用務員業務の民間委託等の検討(★)

・公民館業務の民間委託等の検討(★)

・体育施設運営管理業務の民間委託等の検討(★)

・学校給食調理の民間委託等の検討(★)

・図書館業務の民間委託等の検討(★)

・科学センター業務の民間委託等の検討(★)

・阿南ひまわり会館への指定管理者制度の導入(★)

・スポーツ施設におけるネーミングライツの導入検討

・市有地(駅前芝生広場)の民間活力による有効活用

10 3 9 96,514
(4)財政の健全化 16

・使用料・手数料の見直し(★)

・土地開発公社の経営健全化とあり方の検討

・財政状況の情報共有化

・市税の収納率の維持・向上

・国民健康保険税収納率の維持・向上

・春日野地域下水道事業会計の収納向上

・豊香野地区生活排水処理事業会計の収納向上

・重複・頻回受診者削減の推進

・介護保険料の収納率の向上

・保育料収納率の向上

・農業集落排水事業会計収納率の向上

・市営住宅使用料の収納率の向上

・公共下水道事業の公営企業会計適用

・富岡地区(第1期事業区域)公共下水道接続率の向上

・水道事業会計の経営の健全化

・ふるさと納税を活用した地域の課題解決の推進

14 2 0 1,243,817
(5)事務・事業の見直し 17

・時間外勤務の縮減

・行政評価方法の見直し

・タブレットパソコンを活用したペーパーレス会議の推進

・情報システムのクラウド化

・市税等口座振替済通知書発行の廃止

・阿南市納税貯蓄組合への補助金の廃止

・温室効果ガスの排出量の抑制に向けた省エネルギー対策の推進

・阿波公方・民俗資料館の運営方法の見直し

・ごみの減量化と資源化の促進

・建築開発情報管理システムの開発・導入

・新たな農業委員会制度への円滑な移行と適正な制度運用

・選挙開票事務の改善

・投票率向上の推進

・職員録のペーパーレス化

・弔電の廃止

・「阿南版事業仕分け」の実施による市政への市民関心度の向上 

・テレワーク環境の整備・推進

13 2 2 38,717
(6)定員管理の適正化 1 ・定員適正化の推進 1 0 0 401,550
(7)公共施設等マネジメントの推進 5

・公用車の適正管理(稼働率の向上)

・橋梁等の定期点検の実施(★)

・橋梁長寿命化事業の推進(★)

・学校給食運営方法の改善

・公共施設の保有総量(延床面積)の縮減(★)

5 0 0
(8)効率的な組織・機構の構築 2

・行政組織機構の見直し

・権限移譲事務への対応

2 0 0
(9)人材育成の推進 3

・職員研修の充実

・職員提案制度の活用と業務改善活動の推進

・若手職員による働き方改革の推進

2 0 1
(10)防災・減災への組織的な取組の推進 9

・地域防災力の強化(★)

・携帯端末からインターネットを活用した防災情報の収集

・業務継続計画のマネジメント(★)

・特定避難困難地域の解消に向けた対策の検討(★)

・橋梁耐震化事業の推進(★)

・危険廃屋等解消の推進(★)

・合同点検による通学路の安全確保

・ICTを活用した非常変災時連絡体制の強化(★)

・消防団員の安定確保

9 0 0 292
(11)広域行政の推進 1 ・定住自立圏共生ビジョンの推進 1 0 0
合  計 91   71 8 12 1,783,973

※目標の達成度が80%以上を「目標達成」、80%未満を「一部実施」、達成度を評価できないもの(当面は現状維持と判断したものなど)を「検討」としています。

 

 

 

2 平成29年度から4か年の財政効果額の内訳

 

(1)歳入確保の効果額

実施施策 効果額 (千円)
平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 4年間の計
デジタルサイネージ及び窓口番号案内システムの導入

638

715

638

780

638

794

638

794

2,552

3,083

市税の収納率の維持・向上

14,000

19,057

14,000

22,591

14,000

34,285

14,000

7,094

56,000

83,027

国民健康保険税収納率の維持・向上

8,500

5,917

8,500

7,033

8,500

11,390

8,500

16,262

34,000

40,602

介護保険料の収納率の向上

262

2,736

3,000

6,598

3,000

5,719

3,000

7,523

9,262

22,576

保育料収納率の向上

285

0

692

0

1,098

0

1,505

0

3,580

0

農業集落排水事業会計収納率の向上

156

0

156

0

156

0

156

85

624

85

市営住宅使用料の収納率の向上

1,500

4,330

2,200

6,024

3,000

2,568

3,700

1,082

10,400

14,004

水道事業会計の経営の健全化

100,000

224,024

200,000

233,499

190,000

223,505

180,000

251,878

670,000

932,906

ふるさと納税を活用した地域の課題解決の推進

0

0

0

15,000

32,566

15,000

32,566

小  計

125,341

256,779

229,186

276,525

220,392

278,261

226,499

317,284

801,418

1,128,849

上段:計画額   下段:実績額

 

 

(2)歳出削減の効果額

実施施策 効果額 (千円)
平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 4年間の計
「阿南市くらしの便利帳」の改訂及び無料配布

12,847

0

0

0

0

12,847

文化施設への指定管理者制度の導入

15,000

17,102

15,000

18,120

15,000

18,100

15,000

16,945

60,000

70,267

阿南ひまわり会館の指定管理者制度の導入

0

0

7,700

8,000

7,700

5,400

15,400

13,400

土地開発公社の経営健全化とあり方の検討

2,610

2,633

2,610

2,588

2,565

2,610

2,565

109,321

10,350

117,152

重複・頻回受診者削減の推進

571

65

0

263

0

899

時間外勤務の縮減

5,809

12,252

5,832

0

5,870

0

5,915

6,933

23,426

19,185

市税等口座振替済通知書発行の廃止

1,175

868

868

817

868

812

868

809

3,779

3,306

阿南市納税貯蓄組合への補助金の廃止

1,750

1,744

1,744

1,744

1,744

1,744

1,744

1,744

6,982

6,976

職員録のペーパーレス化

0

18

27

20

34

38

38

76

99

弔電の廃止

0

0

0

1,200

1,200

1,200

1,200

「阿南版事業仕分け」の実施による市政への市民関心度の向上

0

0

0

7,951

0

7,951

定員適正化の推進

98,688

51,424

172,510

70,379

148,612

224,559

81,432

55,188

501,242

401,550

ICTを活用した非常変災時連絡体制の強化

73

73

73

73

73

73

73

73

292

292

小  計

125,105

99,514

198,655

93,813

182,452

255,932

116,535

205,865

622,747

655,124

上段:計画額   下段:実績額

 

 

(3)効果額の総計

項  目 効果額 (千円)
平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 4年間の計
歳入確保の効果額

125,341

256,779

229,186

276,525

220,392

278,261

226,499

317,284

801,418

1,128,849

歳出削減の効果額

125,105

99,514

198,655

93,813

182,452

255,932

116,535

205,865

622,747

655,124

総  計

250,446

356,293

427,841

370,338

402,844

534,193

343,034

523,149

1,424,165

1,783,973

上段:計画額   下段:実績額

 

 

 

 

3 阿南市行財政改革懇話会からの意見等

 

上記の取組内容について、令和3年7月14日(水)に開催しました「令和3年度第1回阿南市行財政改革懇話会」において、次のような御意見をいただきました。

 

項 目 御意見の内容 市からの回答
出前市長の推進 総参加者数、男女別、年齢別などはどうなっているか。

令和2年度の実績として、開催回数14回、参加人数125人(うち女性32人)で、幅広い年齢層の団体から申し込みがありました。

団体及び個人のグループ等からの申込み(テーマ設定)に基づき開催しているとのことであるが、少しハードルが高いようにも思う。公平性の観点から、市民に疑念を抱かせることも危惧される。より幅広い市民の参加が得られるよう、「市がテーマ設定し、参加者を募る」手法も合わせて考えてもらいたい。

市長が「市民参加のまちづくり」を基本姿勢としており、市政に関する理解や関心を深め、身近に感じていいただく機会が出前市長であり、市内の各分野で活動されているグループの集会等へ市長が出向き、市民の「生の声」に耳を傾け、意見交換を行っています。

また、幅広い階層から意見を聴くため、小グループでの開催としており、意見の主な内容はホームページで公開するほか、いただいた貴重な意見は各種計画等に可能な限り反映させています。

新しい総合計画及び行財政集中改革プランについて、市内数か所で説明会及び意見交換会を開催するのも効果的だと思う。 総合計画及び行財政集中改革プランについては、市民が「まち全体のこれから」を「自分ごと」と捉えて、本市の現状を認識し、目指すべき本市の将来像やまちづくりの方向性について広く周知し市民と共有するために、総合計画等の概要版や広報番組を用いて市長が説明する取組を実施してまいります。
民間活力の活用全般

行財政改革実施計画であるにもかかわらず、多くの取組で「調査研究する」あるいは「検討する」とある。

評価は「A(=目標達成)」又は「-(=検討)」であるが、取組内容が「研究」や「検討」では財政効果が出てこないのは当然であり、1年前倒しでの終了を歓迎する。

民間活力の活用については、集中改革プランにおける重点取組項目の1つである「(3)公民連携」において取組を継続することとし、3年間の計画期間において着実に成果をあげてまいります。
重点目標の評価数も多く、もっと全体的にも民間活力の活用を様々な施策等にも反映してほしい。 第5次阿南市行財政改革実施計画は令和2年度をもって終了となりますが、集中改革プランにおきましてもスポーツ施設及び保育施設をはじめ、民間活力の積極的な導入について取り組んでまいります。

民間活力の活用にかかる実施施策の「-(=検討)」評価について、昨年度から「より厳正な評価基準」としたとのことであるが、市民にはわかりにくいと思う。

これらは、施策名が「○○の検討」となっていることが共通しているが、同じ「○○の検討」の他施策にはA~C評価(=目標達成~一部実施)のものもあり、違いがはっきりしない。本来はC評価程度にとどめておくべきではなかったか。

施策名を「検討」として盛り込むことは、大綱に明記されている「目標の数値化及びスケジュール化」があいまいになり、無理がある。できるだけ避けるべきと思う。

実施施策に対する「-」評価については、令和元年度時点において「当面は現状維持」との判断に至った事務事業に対する評価としています。A~C評価となっている事務事業は、令和2年度においても継続して取り組んでおり、それぞれの取組実績に応じた評価を付しております。
行政評価方法の見直し 評価「C(=一部実施)」であり、市政運営に欠かせない総合計画等の行政評価を適正に行い、行政経営型の評価システムの推進を民と共に新たな手法で取り組みたい。

令和2年度までの第5次阿南市総合計画の期間中においては、行政評価の手法が確立できていなかったためC評価となりました。

第6次阿南市総合計画の策定に伴い、「阿南の未来「自分ごと」会議」などの取組とも連携しながら、事務事業を評価した上で予算編成や組織管理等に反映できる行政評価を導入することとしております。

「阿南版事業仕分け」の実施による市政への市民関心度の向上 施策に対する庁内の評価は、「対象となった所属」「対象とならなかった所属」それぞれでどうなっているか。

昨年度実施したアンケートでは、事業担当部課の職員のみを対象に調査しておりますが、抜粋すると次のような評価となっております。

・仕分け結果を受け、事業の見直しや業務改善への意識・意欲は高まったか。

高まった38%、やや高まった31%、あまり高まらなかった19%、高まらなかった6%、わからない6%

・仕分けを受けた感想を率直に表すと、次のどれにあてはまるか。

有意義25%、やや有意義37%、あまり有意義でない19%、有意義でない13%、わからない6%

・来年度も継続して事業仕分けを実施したほうがよいと思うか。

実施したほうがよい25%、実施しないほうがよい19%、どちらとも言えない56%

・事業仕分けは行政改革の手法として有効だと思うか。

有効だと思う19%、まあ有効だと思う31%、あまり有効だと思わない12%、有効だと思わない13%、わからない25%

仕分け人の半数は市町村職員であること、委託料(約200万円)が必要であることなどを考えると、いつまでも続けることは難しいと思う。

「段階的な事業手法の確立を目指す」とあるが、どのようなイメージか。この施策の仕組みを各部同士による事業評価の仕組みに進化させ、庁内における政策形成・人材育成システムの一環とすることも一案だと思う。

事業仕分けを通じて得られたノウハウ等を活用し、庁内職員同士による事業評価を実施することについても検討してまいりたいと考えております。
若手職員による働き方改革の推進

人材育成の一環として大いに期待している。民間若手職員との合同チームも視野に入れ、「政策研究チーム」として更なるステップアップを望みたい。

長続きするシステムとするためには、庁内において、「働き方改革検討チーム」に対する信用・信頼がいかに得られるかがカギになると思う。

・係長及び係長クラスで構成、任期は2年程度が理想

・指揮系統の整理(所属の理解)が必要であり、秘書課兼務も一方法

・単なるトップダウン強化に陥らないよう、各部及び財政部門の理解も必要

令和元年10月に設立した「働き方改革検討チーム」は、組織もメンバーも若く、まだまだ発展途上の取組です。若手職員による自主的な発案に基づく働き方改革を市役所に根付かせていくため、いただきました御意見を参考にさせていただきます。
実施計画における効果額について

4年間の効果額は約18億円(歳入11億円、歳出7億円)。主なものは、歳入では水道事業会計の使用料引き上げ9億円、歳出では定員適正化4億円、土地開発公社の経営健全化1億円などである。

これらは、企業会計、算定額に疑問のある人件費、簿価評価による算定額などであり、普通会計におけるキャッシュ効果は限定的と言わざるを得ない。

行革プランの効果は総合計画の全てに及ぶものであり、毎年度の予算編成の中で、全体としての効果額を公表するのが本来であると思う。一部施策だけの効果額の算定・公表にどれだけの意味があるのか疑問。

第5次阿南市行財政改革は、第5次阿南市総合計画で掲げた理想とするまちの実現と将来にわたり安定的に発展するための行財政基盤を強化することを基本理念とし、4年間で91項目にわたる取組を推進してまいいりました。その中には、市民サービスの向上や市民参画、人材育成の推進など、財政的な効果(財源捻出)を見込んでいないものも数多く含まれており、そうした行政改革の成果も含めて総合的に達成度を取りまとめているところです。

 

令和3年度第1回阿南市行財政改革懇話会の会議録等はこちらから御覧いただけます。

 

 

4 資料

 

第5次阿南市行財政改革推進大綱[PDF:1.04MB]

 

第5次阿南市行財政改革実施計画(個別計画)[PDF:1.61MB]

 

 

お問い合わせ

企画部 行革デジタル戦略課
TEL:0884-24-8024

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