水道水のトラブル解決法

公開日 2011年02月01日

水に色がつく


 

  原  因 対 策
赤い水が出る 配・給水管内の鉄錆が起因し、赤水の継続時間や発生地域により原因が推定できます。 一軒だけの場合は、開栓時の水をしばらく捨水するか、布設替え、あるいは老朽化した配管を取り替えます。広範囲の場合は配水地域の管内洗浄および水質が安定するまで捨水します。
黒い水が出る 水道水中の溶存している微量のマンガンイオンが残留塩素で酸化され、配水管内に付着した二酸化マンガン等が水の流動変化等で剥離するために起こります。 開栓直後の一時的現象の場合は、透明になるまで捨水します。長時間にわたる場合は、配水管本管に起因するため、本管の洗浄、捨水を行い、同時に浄水処理工程での除マンガン処理を強化します。
白い水が出る(数秒後に透明になる) 水道水をコップに入れた時、下の方から徐々に透明になる場合は空気によるものです。給湯設備の場合は、水道水が急激に加熱され、溶存している空気が放出され、白濁することがあります。 空気による白濁は、放置により透明になり水質異常によるものではなく、安全性の上でも問題はありません。給水装置等で水道設備で負圧になる原因調査が必要です。
白い水が出る(煮沸により、油膜発生、白濁する) 亜鉛めっき鋼管から溶出する亜鉛によるものです。煮沸による水表面に油膜状の物が形成され一層白濁してゆきます。水の滞留時間が長い程発生しやすく、開栓直後に多く見られます。亜鉛の溶出しやすい管内では腐食がかなり進んでおり、時間と共に赤水の発生も見られます。 開栓時の水を捨水してください。亜鉛の溶出が著しい場合は、材質の異なる管種に布設替えを行います。
青い水が出る(ほかに緑色、桃色) 給湯設備で、不凍液を使用している二回路式ボイラー内の配管にピンホールが発生し、エチレングリコール等の不凍液が温水中に混入し、水道水が青色等に着色されます。 トラブルとしては、非常に危険なランクです。直ちに給水を止め、ボイラー部分の点検をし、改善をしてください。





水に臭いがする


 

  原  因 対 策
カルキ臭(塩素臭)がする 水道水は衛生上、塩素消毒が義務付けられているため、残留する塩素によって塩素臭を感じます。配水地域や個人差によって感じ方に多少の差はありますが、衛生的に給水されていることを意味しています。 塩素臭は水道水が病原菌等の汚染から守られた安全な水である証拠で、この臭気が気になる場合は、煮沸後、冷やすことで解消されます。また、家庭用浄水器でこの臭気を除去する性能を有する商品もあります。
金属臭がする 水道水に鉄、銅、亜鉛等の金属類が多く含まれている場合に発生します。特に配管中での滞留時間が長い地域では、開栓時に溶出した金属が金気臭を発生させます。水源に地下水を使用している場合は、鉄細菌の存在で金気臭が発生します。 開栓時の水をしばらく捨水するか、腐食の進んだ給水管では布設替えが必要です。また、鉄細菌が起因する場合は、着臭障害が広範囲にわたるため、配水管、設備等の塩素消毒と洗浄が必要です。
かび臭がする 停滞水域の湖沼や貯水池で、夏期に藍藻類や放菌のある種が異常繁殖を起こし、かび臭障害を起こします。また、大雨による河川増水で河床の底泥が巻上げられて、水にかび臭や土臭をつけることもあります。 一般的には活性炭による除臭処理が用いられます。かび臭は、腐敗菌や病原菌のような不衛生なものではなく、河川や湖ならどこにでもいる微生物が細胞内で産出した物質であり、安全性に問題はありません。
腐敗臭、下水臭がする 受水槽への汚水混入やクロスコネクションの可能性が疑われます。その他、河川や湖沼等で発生した大量の藻類が、死後分解して水源の原水に腐敗臭を着臭することがあります。 水道水に腐敗臭を感じるときは、不快であるばかりでなく、衛生的な安全性がおびやかされる恐れがあるので、直ちに飲用を停止し、原因を究明する必要があります。





水に異物が混じっている


 

  原  因 対 策
黒い異物が出る 止水栓、受水栓のゴムパッキンやビル給水等の加圧タンクに使用されているゴム製ダイアフラムの劣化や給水管と給水装置を接続するゴムパイプの劣化、管接合部のポリエスチレン管の切りくず、配水管からのマンガンスケールの剥離等が考えられます。 開栓直後の一時的な場合は、しばらく捨水し、劣化したゴムパッキン等の交換を行います。マンガンスケールによる場合は配水管の洗浄および更正が必要になります。
緑色の浮遊物が流出する FRP製の高置水槽などは、光を通しやすく、清掃などの保守管理が不備な場合、内壁に藻類が繁殖し、藻被という膜が剥離し、給水栓から流出する場合があります。 高置水槽や給水配管の清掃を行います。



水や容器が変色する


 

  原  因 対 策
魔法瓶の中が黒くなる 給湯設備から直接何回もお湯を注ぎ足すと、使用されている銅管等から微量の銅が溶出し、始めは青く、付着量が多くなるにつれて黒色に変化します。 給湯設備から直接お湯を入れないで水道水・やかん・ポット等に汲んでお湯を沸かしてください。なお、給湯栓からは銅が溶出しやすいです。
洗面台やタイル等が青くなる 給湯設備に使用している銅管類、青銅部材(砲金)、黄銅(真ちゅう)から銅が溶出し、石鹸の脂肪酸等と反応して青色の「銅石鹸」が生成し、洗面所やタイル等に付着するためです。 銅の溶出が著しい場合は、ステンレス管等への取替えが必要です。着色したタイル等は約10%のアンモニア水を少量適下し、よく拭取り、食酢で中和し水でよく洗い流します。布等が青く染まった場合は、70~80度に温め、食酢に浸して脱色してください。
浴槽の水が青く見える洗 海や湖が青く見えるのと同じで、太陽光線の可視光線によるものです。特にアイボリーやホワイト系の浴槽でこの現象が顕著に見られます。給湯設備に使用している銅管から銅が溶出している場合は、シャワーカーテン等にも青い着色を起こします。 可視光線の場合は水の着色ではないので、水質的な問題はありません。浴槽の場合、お湯を飲用しない限り、問題はありませんが、給湯設備の場合は、お湯を給湯配管から使用せず、水から沸かすと銅は混入しません。





水・その他


 

  原  因 対 策
残留塩素が検出されない 水道使用量の少ない末端の配水地域では、水が停滞しやすく、残留塩素が検出されにくい場合があります。また、老朽化した配水管では、残留塩素の低下が著しくなります。受水槽を設置している学校、ビル等で水道水の使用量が少ないと残留塩素の低下が生じます。 残留塩素が検出されない管末では捨水を行い、将来的には管網のループ化を計画する必要があります。受水槽を設置している場合は、定期的な水質検査を行い、適正な管理と運用が必要である。
魚がへい死する 水道水の残留塩素が大きな原因です。また、水槽の水の入れ替えの際の急激な水温差等の環境の変化も原因となります。養殖池等では、土砂等混入による、溶存酸素の低下や農薬の混入、人為的な毒物混入が考えられます。 残留塩素の除去方法は、適量のオチ硫酸ナトリウムを添加するか、太陽光で揮散させた後に使用する。

お問い合わせ

水道部 水道課
TEL:0884-22-0587
FAX:0884-23-6073