第1回  新庁舎ワンテーマ解説

公開日 2016年04月20日

新庁舎での木材使用

古くから徳島県は森林資源に恵まれ、「木頭杉」の名称でもわかるように、那賀川上流域はその代表的な産地となっています。この県内産の杉材が新庁舎の内・外装材として様々な場所に使われています。例としては、

  • 外装材…西日を防ぐルーバー
  • 内装材…阿南フォーラム内の壁及び天井や議場の内装

などです。

日除けルーバー  県内産材を使った議場内装 
 日除けルーバー(庁舎西側)   県内産材を使った議場内観


          

次に、阿南の地と木材の歴史的背景に触れてみましょう。

那賀川の木材、筏、鉄道

1 那賀川上流の物産によって栄えた街

那賀川流域の木材は、奈良時代から建築用材として利用されていたことが確認されています。那賀川流域産材が政治経済上大きな役割を担うようになるのは、江戸時代に入ってからのことです。
江戸時代、富岡町は徳島藩南部の経済、政治の中心地となっていました。その拠点が天神原で、ここには近郊の産物や那賀川上流域の産物を取り扱う引受所が置かれ、商業に係わる様々な人々が集まって、賑わっていました。これは、富岡が商人の町として栄えた大きな要因となりました。

旧富岡町役場付近の人通り 富岡東新町の様子 
 旧富岡町役場付近の人通り(阿南市史より)  富岡東新町の様子(阿南市史より)

 

2 筏流しによる輸送

その中でも木材を始めとする林産物は膨大な量であり、これらの運送には筏(いかだ)流し(流筏)が用いられました。陸上輸送に慣れた私たちにはピンときませんが、その往来は想像を超えるほど活発で、那賀川の風物詩となる程でした。

旧大井出堰を下る筏
旧大井出堰を下る筏(阿南市史より)

 

3 林業華やかかりし頃

藩政時代から昭和中期までの間、これらを谷口(上那賀町)から那賀川下流まで流送していたため、現在もその名残として羽ノ浦町や那賀川町には製材所が多く残っています。羽ノ浦町の古庄や岩脇は、上流の木材・炭・まき・新茶などの集散地で、筏師たちが芝居小屋や料理屋に出入りして賑わい、街には活力が満ちて繁栄していました。

旧古庄駅前の阿南自動車本社と芝居小屋
旧古庄駅前の阿南自動車本社(右)と芝居小屋(左)  (阿南市史より)

 

4 鉄道輸送の始まりと消滅

大正5年(1916)には、小松島市の中田から古庄までの間で阿南電気鉄道(私鉄、後に国有化)の運行が始まり、集積された木材が古庄駅から鉄道輸送されていきました。
しかし、羽ノ浦-桑野間が昭和11年3月に開業すると、羽ノ浦-古庄間は枝線となって、盲腸のように取り残されてしまいます。以後、県南部の交通拠点は富岡、桑野へと移っていきました。さらに、昭和18年には太平洋戦争の激化で運行休止となり、鉄材供出でレールが撤去されてしまいます。昭和28年には貨物線として復活しますが、36年に国鉄の貨物合理化で営業廃止となり、古庄から駅と線路は消えることになりました。なお、線路跡が現在市道として残っており、その上を辿ることができます。

現在の線路跡(羽ノ浦―古庄間) 鉄道輸送される木材(羽ノ浦駅) 
 現在の線路跡(市道古庄羽ノ浦線)  鉄道輸送される木材(阿南市史より)

 

5 長安口ダムの完成と筏流しの消滅

昭和に入ると、那賀川上流域への道路が整備されるようになりました。これにより、物資の輸送は徐々に水上から陸上へと移っていきました。昭和31年に長安口ダムができると、筏流しは消滅し、木材は現在の国道195号線をトラックで運送されるようになりました。

長安口ダム
長安口ダム(阿南市史より)

 

再び脚光を浴びようとしている林業

全国的に衰退の一路を辿っていた林業に、最近になって再生のきざしが見られるようになったと言われています。第二次大戦中、戦後、高度経済成長期にかけて国内では大規模な森林伐採が行われましたが、その後の植林によって育った木が今、伐採の時期を迎え、国内の森林資源は充実度を増しつつあります。

しかし、一方では荒廃した山林が依然として多く存在するなど、再生の前途は多難と言わざるを得ない状況です。そのような中で、近年になって若年層の林業への流入なども見られるようになり、徐々にではありますが、産業としての伸展が期待されるようになってきました。

省CO2の観点から見た地場産木材の利用

樹木は、大気中の二酸化炭素を取り込み、木材の形で炭素を貯蔵しています。建材等に木材を利用することは、社会全体の炭素の貯蔵量を増やすことになり、二酸化炭素を低減し、地球温暖化防止に貢献するといわれています。新庁舎では、内外装に多くの県内産の杉材を使用しているほか、様々な省CO2の取り組みが認められて、国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」として採択されました。
省CO2技術導入箇所.pdf(147KB)

関連ワード

お問い合わせ

総務部 庁舎建設課
TEL:0884-22-8285

PDFの閲覧にはAdobe System社の無償のソフトウェア「Adobe Reader」が必要です。下記のAdobe Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Readerダウンロード