平成26年3月 室戸阿南海岸国定公園を国立公園へ

公開日 2016年07月21日

 昭和39年(1964年)は、阿南市および県南にとってさまざまな出来事がありました。1月には阿南市が国の新産業都市に指定され、3月には海南高等学校が第36回選抜高等学校野球大会で優勝。6月には県南海岸一帯が室戸阿南海岸国定公園に指定されました。ちなみに東京では10月にオリンピックが開かれました。
 先日、室戸市の小松幹侍市長さんが私を訪ねてこられました。「今年は室戸阿南海岸国定公園が50周年を迎える。また、室戸岬は先般世界ジオパークに認定され、交流人口が3倍に増え、地域経済への活性化効果が表れている。50周年を機に、国定公園から国立公園へ格上げする運動を展開してはどうか」というご相談でした。私は一瞬、この計画は非常に難しいのではないかと思いましたが、環境省や国土交通省などと相談すると、ハードルは決して低くはないが可能性があることが分かってきました。
 かつては国立公園の認定については、景観、地形、地質に重点が置かれていましたが、近年は里地里山(集落の周りに田んぼが広がり、雑木林やため池が点在するような、人が自然と調和して暮らす農耕文化が形作った地域)や、生物多様性が重要な要素となっているとのことです。
 調べてみますと、徳島県から陸生巻貝の新種が見つかったのは30年ぶりとなるアナンムシオイガイの発見、ギネスにものったウミガメの研究、牟岐大島や水床湾のシコロサンゴ、ミドリイシ、キクメイシなど。また、植物としては室戸岬のアコウ林、出羽島のハマユウ、千羽海崖のクロマツ、ウバメガシ、ヤマモモなど海洋性観光資源を中心に多様な要素が存在していることを再発見しました。
 今まで徳島県は県南地域の観光開発といえば、海部郡海陽町までの開発であり、かつて本県とゆかりの深い賀川豊彦が世界屈指と評価したすばらしい海岸美で連なる高知県室戸岬までも含んだ売り出しを高知、徳島両県とも怠っていました。
 行政という名で線引きした地域内は微に入り細に入り解析するが、地域の境界の外は互いに全くの白紙という悪弊を打破する必要があります。
 現在の室戸阿南海岸国定公園は海岸“線”が対象でしたが、国立化にあたっては、海や陸といった奥行きの深い“面”への認定へと進んでいきます。そして観光地としてのまとまりの創出による連携の強化、魅力の向上、地域活性化の基盤の創出につながっていくこの構想は、きっと空海も応援してくれるでしょう。

阿南市長 岩浅 嘉仁

お問い合わせ

企画部 秘書広報課
TEL:0884-22-1110