平成18年8月 私の好きな風景

公開日 2016年07月21日

 夏本番。海のシーズンである。本県とゆかりの深い賀川豊彦氏(社会運動家、ノーベル平和賞候補にもなる)が、かつて、「世界屈指の海岸美」と絶讃したのが、室戸・阿南海岸国定公園である。
 徳島・高知両県に跨るこの海岸公園は、延長200kmにも及ぶ。
 万葉集に、「橘の浦の夕なぎ潮ささば 伊島の沖ぞ遠くなりゆく」と詠まれた景勝地の橘湾や西日本一といわれ約2kmの砂浜が広がる海水浴場北の脇、阿波水軍と独特の町並みで知られる椿泊、ウミガメが上陸する四国最東端の蒲生田岬など、阿南版ともいえる自然遺産の宝庫である。
 阿南に入り、淡島海岸を越えると中林の海が広がる。

 私は、この海岸の風情が好きで幼い頃からよくここへやってきた。沖合約9kmの海上に浮かぶ伊島は、まさに指呼の間にある。
 白砂青松の景観に恵まれた中林海岸は、北の脇、淡島の両海水浴場に挟まれ、そのたたずまいはおとなしく、空気は清浄無垢である。
 急深で、波の返りが激しいため、遊泳禁止となっているが、沖の燕礁(えんばえ)と岸に近い雀礁(すずめばえ)のコントラストは眺めるだけでも価値がある。
 古往今来、島影同じ。若山牧水は言う。
 「海はわがために魂のふるさとなり、みなもとなり」と。
 さて、合併を機にして阿南の新しい観光パンフレットを作成したが、その末尾には、次のように書かれている。
 「始めよければ終りよしという言葉があるが、『あ』で始まって、『ん』で終わる阿南にはたくさんの『楽しさ』が詰まっている」と。
 私たち阿南市民は、たくさんの、そして素晴らしい「魂のふるさと」を持っている。

阿南市長 岩浅 嘉仁

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